私が支部長を務めています自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部のホームページを開設いたしましたので、
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では、今後とも山田衆三を何卒よろしくお願い申し上げます。
日本は資源小国であり、資源の大半を海外からの輸入に頼っています。日常生活にも大きく影響する原油価格の乱高下をはじめ、政情的に不安定な中東原油依存度の高止まりが続くなか、石油・天然ガス大国であるロシアが資源の国家管理を強化し、経済発展著しい中国やインドなど新興国がエネルギー消費の増大に伴い資源囲い込みに奔走する等、世界情勢を俯瞰的な視点で捉え、国際協調を基軸としつつ、国益に合致するエネルギー政策を考えることが非常に重要となっています。また、21世紀が地球環境時代と呼ばれるなかで、地球温暖化防止京都会議(COP3)の議長国を務め、京都議定書の批准国でもある日本は、率先して持続可能な社会を実現することが求められます。 私は、博学篤志(博く学び篤く志す)をモットーに本ブログ「衆ノ雑感」を通じて情報発信しながら、より多くの方々がエネルギー・環境問題について関心を持っていただければ幸いと感じています。そして、掛け替えのない地球と次世代を担う子どもたちに明るい未来を引き継ぎましょう!
阪急阪神ホールディングス(株)傘下の阪急電鉄(株)は2009年12月9日、大阪府摂津市役所と共同で2007年から進めている地球温暖化対策モデル地区「南千里丘まちづくり」のまちびらきと同時に、まちの玄関口として阪急京都線・正雀駅~南茨木駅の間に新設される摂津市駅の開業日を2010年3月14日にすると発表した。摂津市駅では、駅に起因する二酸化炭素の実質排出量をゼロにする「カーボン・ニュートラル・ステーション(炭素中立駅)」を計画している。摂津市駅での停車は、普通列車のみであるが、主要駅となる大阪府の梅田駅まで大人220円、京都府の河原町駅まで大人360円と手頃な運賃で、所要時間もそれぞれ21分、35分と便利であり、1日当たり約1万2千人の利用者を見込んでいる。
<出所>阪急電鉄(株)
阪急電鉄(株)によると、摂津市駅の電力や水道使用による二酸化炭素排出量を約70t/年と想定し、このうち約36t/年は、駅舎の屋根に設置する太陽光発電や消費電力が少ないLED(発光ダイオード)照明、壁面緑化、雨水利用のほか、男性トイレに洗浄時に水を使用しない「無水式小便器」の導入、エレベーターのブレーキ時に発生する回生エネルギーを蓄電して力行時に使用するシステム「エレベーター回生電力利用」装置、空気の熱を利用したヒートポンプ式電気給湯器の採用による各種省エネルギー施設整備など駅で取り組む環境配慮施策で約51%削減し、残りの約34t/年は、排出枠やグリーン電力証書を購入することによってオフセット(相殺)することで約49%削減するという。


<出所>阪急電鉄(株)
阪急電鉄(株)では、摂津市駅の開業を記念して環境をテーマにしたメッセージ列車「摂津市駅号」を運行させ、車両外観に摂津市駅のキャッチフレーズである“エコで始まる新しい駅”をモチーフとしたラッピングデザインを施した(下図)うえ、車内のポスター掲出枠も全て同様のデザインに統一する。また、NPO法人(特定非営利活動法人)環境市民の企画監修のもと、沿線の地方自治体等とも連携しながら、環境啓発情報や様々な主体による環境への取り組みなど環境をテーマにしたポスターを車内の全ての掲出枠を使って展開し、併せて摂津市駅で取り組む環境配慮施策も開業告知ポスターで紹介する。摂津市駅号の運行期間中(2010年3月14日~7月31日)は、この列車が使用する電力を発電する際に生じる二酸化炭素について、排出枠購入によりオフセットすることで二酸化炭素の実質排出量をゼロとする「カーボン・ニュートラル・トレイン(炭素中立列車)」として運行する。
<出所>阪急電鉄(株)
摂津市駅のカーボン・ニュートラル・ステーション計画について、環境省が「駅で同様の取り組みは聞いたことがない」とコメントしており、よりクリーンで環境に優しい鉄道会社を目指す阪急電鉄(株)の斬新かつユニークな日本初となる試みに期待したい。
【参考】「衆ノ雑感」で取り上げた過去の関連記事
・燃料電池鉄道 http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510064.html
・阪神甲子園球場に太陽光発電 http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510061.html
有識者10名で構成する東海道物流新幹線構想委員会(委員長:中村英夫・東京都市大学学長)は2009年12月7日、建設・計画中の新(第2)東名・新(第2)名神高速道路の中央分離帯や用地買収後に既着工の使用未確定車線(暫定4車線により整備されなかった3車線目の用地)、山間部など橋梁及びトンネル区間の3車線のうち1車線等を最大限活用し、物流の大動脈である東海道メガロポリス区域(京浜地区~阪神地区)に貨物輸送専用の鉄軌道を開設する「東海道物流新幹線(ハイウェイトレイン)構想」を発表した。
東海道メガロポリス区域(新東名・新名神高速道路ルート)

<出所>中日本高速道路(株)
東海道物流新幹線構想のCGイメージ
<出所>(株)JR貨物リサーチセンター
運輸部門、特に物流部門においては、貨物自動車への過度の依存を転換するため、また、現行のJR東海道線は、旅客列車の密度が高くほぼ満杯の状態で貨物列車輸送量をこれ以上増やすことは難しいため、東海道物流新幹線構想が貨物輸送のモーダルシフト(輸送手段の切り替え)を劇的に進め効率化を図り、地球温暖化の要因となっている温室効果ガス(二酸化炭素)排出量削減や省エネルギー効果が期待されている。東海道物流新幹線構想では、JRの在来線と同じ狭軌で複線電化、中央指令センターで全線一括制御する自動・無人運転、コンテナ方式により5両1ユニットを複数連結して1編成最大25両程度(10tトラック40台分に相当)の貨物輸送需要を見込み、平均時速90~100kmで運行距離が約600kmの東京~大阪間を6時間30分で運行する。
三大都市圏相互間で1日の貨物輸送量を約20万tと想定し、二酸化炭素排出量を約300万t/年、軽油使用量を約18億ℓ/年削減できるという。鳩山由紀夫内閣総理大臣が「2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減する」中期目標を打ち出しているが、東海道物流新幹線構想が実現すれば6%削減の効果が得られる試算である。また、ターミナルは、東京や名古屋、大阪等の大都市に数ヶ所設置し、鉄道から容易に貨物自動車への荷物の積み替えができるようフレキシブル(機動的)に対応する。長時間勤務を強いられるトラックなど貨物自動車運転手の人手不足解消や就労環境の改善(運転手1人当たりの年間平均残業を約30時間削減)、少子高齢化が進む労働力を補強し、貨物自動車の交通事故による年間死傷者数を約1700人減らして乗用車運転手の安心感が増大する相乗効果も期待できる。さらに、高速道路敷地内に鉄軌道を導入することに伴い自動車占用の社会資本である道路空間を多機能・多用途化し、幅広い公共財としての新しい位置付けを可能にする。このことは、道路の持つ社会的価値を高めるとともに環境政策への寄与という側面からも評価されるべきものであり、鉄軌道への回帰や見直しが進む世界の趨勢に一歩先立つものとして国家的意味も大きい。“ドア・トゥ・ドア”の柔軟な輸送ができる高速道路と、道路混雑を引き起こすことなく大量・定時性輸送ができ省力性に優れたクリーンな鉄道の両方のメリットを融合した「道路と鉄道の一体化」こそ民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた高速道路の無料化に対する妙案にもなり得る。
ただ、東海道物流新幹線構想の事業費は、総額2兆円に上ることが予想されており巨額の資金が必要であるほか、東海道物流新幹線を十分に活用して社会的便益を発生させるためには、技術的・政策的課題の解決も不可避であることから、大胆で革新的な貨物輸送システムの構築に向けて国土交通省など公的な支援を受けながら国家プロジェクトとして政治主導の下で独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、高速道路会社、鉄道会社及びトラック事業者それぞれのノウハウを活かせるよう産官学挙げての取り組みが求められる。そして、物流の恩恵を最終的に享受する消費者に対しても東海道物流新幹線構想の重要性を訴え、地球環境重視の観点から意識啓発を図り、広く世論を形成することによって国民の総意で低炭素型物流を推進する大きな力とする必要がある。
経済・環境・エネルギーが調和する持続可能な総合交通体系の在り方について、最先端技術を駆使した日本発の東海道物流新幹線構想が世界に範を示す一策となることを確信している。
森林所有者が伐採後、新たな植林をせずに放置する「再造林放棄地」を減らそうと、日田・佐伯市など大分県内の林業関係者は、出荷量や取引量に応じて協力金を出し合い森林再生基金を運用する受け皿団体となる森林再生機構を設立し、2010年4月から杉や檜など針葉樹の人工林皆伐跡地を対象とした再造林支援に充てる制度を始める。宮城県と宮崎県で類似の制度があるものの、森林資源の恩恵を受ける伐出業者(出荷者)・原木市売市場(原木市場)・加工業者(製材工場)の3者が揃っての取り組みは、大分県が全国唯一であるという。
「植林未済地」、「皆伐放棄地」とも呼ばれる再造林放棄地は、1990年代後半から大分県が位置する九州地方を中心に発生し、2000年以降に急増、現在も拡大している。生産効率だけを優先した無秩序な林業経営が人工林を荒廃させ、森林資源の減少や生物多様性保全・水源涵養機能の著しい低下を招き、土砂流出・洪水等の災害の危険性が懸念されるなど社会問題となっている。人工林の植生を回復させる再造林政策は、森林の多様な機能の持続的な発揮や温室効果ガス(二酸化炭素)吸収による地球温暖化防止、生活環境・国土保全にとって極めて重要である。
日田杉など林業が主要産業の大分県では、2008年度に伐採された森林が1347haであるのに対し、再造林は、3割の393ha足らずで台風被害の復旧を除き長らく減少基調にある。農林水産省の外局である林野庁や大分県庁から再造林費用の68%が補助されるが、不況による木材価格の低迷等で森林所有者にとってそれでは採算を取る(再造林費用を回収する)ことが難しいため、再造林放棄地の拡大を食い止めるべく林業関係者が2009年5月に再造林支援システム研究会を設置して以降、対応を検討していた。
大分県の造林面積の推移

<出所>大分県庁森林整備室
再造林支援システム研究会によると、原木1m3当たり出荷者と製材工場がそれぞれ20円、原木市場が10円の協力金を拠出し、森林所有者には、森林再生機構を通じて再造林1ha当たり5万円を補助する。大分県庁も1ha当たり10万円の助成を予定しており、実現すれば1ha(約2千本相当)の負担は、20万円から5万円と大幅に軽減される。森林再生基金は、大分県内の原木流通量を平均的な年間80万m3とした場合、大分県森林組合連合会等による森林再生機構の運営・管理費等も含め初年度で約4千万円の積み立てを想定しており、将来、植林面積の25~50%増加を目指す。
林野庁整備課が「全国的にも珍しい。林業界が連携して再造林を進めるのは有意義」と評価し、大分県庁林産振興室も「関係者全員の協力を得て木材の安定供給に繋げたい」と期待しているように大分県の取り組みは、再造林政策に腐心する地方行政の先駆的な事例として注目される。
2009年12月7日からデンマークの首都・コペンハーゲン市で開催される第15回気候変動枠組条約締約国会議(COP15)を控え、2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み「ポスト京都議定書」交渉に臨む主要各国の温室効果ガス排出削減中期目標(以下、中期目標)が出揃った。
京都議定書の約束を引き継ぐポスト京都議定書の交渉期限であるCOP15では、鳩山由紀夫内閣総理大臣をはじめ欧米アジアの首脳が一堂に会し、法的拘束力のある新たな議定書の採択は難しいものの、ポスト京都議定書の大枠を固めて政治合意する方向でほぼ一致している。世界の温室効果ガス排出量の4割を占める米国と中国の動向が注目されているなか、米国は、2020年までに2005年比で17%削減、中国は、国内総生産(GDP)当たりの温室効果ガス排出量を2020年までに2005年比で40~45%削減する中期目標を掲げた。日本が2020年までに1990年比で25%削減する中期目標を掲げている一方で、米国の中期目標は、1990年比に換算すると3%削減足らず、中国の中期目標は、温室効果ガス排出の絶対量を減らす排出削減目標ではなく、単位GDP当たりの排出抑制目標であり、今後の経済成長を制約しないように予め配慮されている。つまり、2009年以降に中国の名目GDPが年5%以上増加すると仮定すれば、既述の中期目標を達成したとしても、温室効果ガス排出の絶対量は、2020年に2005年比で6割以上増えてしまう計算となる。中国と同様に新興国であるインドもGDP当たりの温室効果ガス排出量を2020年までに2005年比で20~25%削減する中期目標を検討している。
世界各国の温室効果ガス排出量の内訳 地球温暖化対策に積極的とされている欧州連合(EU)の中期目標は、1990年比で20~30%削減であるものの、1990年以降に石炭から天然ガスへの燃料転換や省エネルギーが遅れていた東欧諸国がEUに加盟しており、比較的容易に温室効果ガス排出量を減らすことができ、日本と事情が全く異なる点で留意が必要である。また、ロシアについては、日本と同じく1990年比で25%削減する中期目標を掲げているが、これは数字のトリック(策略)で、ロシア国内で見れば温室効果ガス排出量を現状より1割増やしても達成できる水準となっている。このほか、豪州は、2000年比で5~25%削減の中期目標を掲げているが、1990年比に換算すれば13%増加~11%削減、2006年比で20%削減の中期目標を掲げているカナダも1990年比に換算すれば3%削減等、日本が掲げた中期目標の高さだけが際立っている。
先進国間で中期目標の公平性に欠けている点について、大学院修士課程在学中に大変お世話になった慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科客員教授の茅陽一先生が副理事長兼研究所長を務める(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、日本が25%削減を達成する場合、二酸化炭素換算で1t当たり476ドルの費用負担となり、同じコストを投じれば、米国で44%削減、EUで39%削減、ロシアで59%削減が可能であるという。既に省エネルギーが進んでいる日本は、温室効果ガス排出量を減らす費用が他国より高く、それだけ重い負担を強いられることとなり、無理やり25%削減を達成しようとすれば国際競争力の著しい低下や国内産業の空洞化等が懸念される。以前、「衆ノ雑感」温室効果ガス排出削減中期目標でも述べたとおり25%削減は、民主党政権が実現可能性を見極めずに奇を衒って高い数値を打ち出した荒唐無稽な中期目標であるとしか思えない。
ポスト京都議定書の国際交渉で最も難航するのが先進国と途上国との調整である。これから経済発展を成し遂げようとする途上国からすれば、地球温暖化問題は、産業革命を端緒とした過去100~200年間の先進国の工業化が招いた結果であり、まず先進国が大幅な温室効果ガス排出削減目標を示すべきという立場である。特に中国・インドなど新興国は、地球温暖化対策について「共通だが差異のある責任」の原則に基づき中期目標を自発的な行動にするべきとの主張であり、先進国から要求されている中期目標の義務付けに猛反発しているほか、先進国全体の中期目標が1990年比で16~23%削減になることについて、2007年にノーベル平和賞を受賞した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第四次報告で先進国に対して25~40%削減の中期目標を示しており、相当な開きがあることから更なる上積みを要求している。
以上、各国の中期目標は、基準年や設定条件がバラバラで取り組みへの温度差も激しく、25%削減を掲げた日本のみが突出した形となっている。今後、先進国間、先進国と途上国間でどれだけ地球温暖化に対する危機感を共有でき溝を埋められるか、また、日本が同床異夢の国際交渉の場で国益を毀損することなく主導権を握りリーダーシップを発揮できるか、ポスト京都議定書を巡る駆け引きは、なお予断を許さない。
2009年11月初旬、政府税制調査会(2009年9月の閣議決定を経て内閣府に設置)で2010年度の税制改正要望に向けたヒアリングを実施し、焦点となっている地球温暖化対策税(環境税)の導入を巡り、関係各省の思惑が交錯していることが浮き彫りになった。
環境省は、2010年度から原油・石炭・LNG(液化天然ガス)など原則すべての化石燃料を対象に課税する環境税を要望、税収は一般財源化し、一部を地球温暖化対策の技術開発や森林整備・保全に充当することで、2兆円規模の税収を見込んでいる。景気停滞下の増税は非現実的として新税の導入に慎重であった財務省も、企業収益の悪化で税収が低迷していることから、一転して環境税の導入に前向きである。一方、税制改正要望を公募した際、環境税の導入に対する産業界の強い反発を受けた経済産業省は、地球温暖化に係る国際交渉の動向を見極め、家計(特に低所得者層)・企業の負担など国民経済や国内産業の国際競争力に与える影響等の観点から検討を行うという慎重な立場を崩しておらず、環境税創設に向けた着地点を見出せていない。

<出所>環境省
環境税は、最上流課税(化石燃料の輸入時点又は採取場からの採取時点での課税)、上流課税(化石燃料の製造場からの出荷時点での課税)及び下流課税(化石燃料の消費者への供給時点での課税)の3つに分けられるが、最終的に化石燃料由来の製品が消費者まで届けば価格転嫁されて国民負担となる。
民主党政権となり、鳩山由紀夫内閣総理大臣が「2020年までに温室効果ガス排出量の1990年比25%削減を目指す」と表明し、環境税を導入する千載一遇の好機が到来した。ところが、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げている道路特定財源(暫定税率)の廃止や高速道路の無料化が地球温暖化対策に逆行するほか、暫定税率を廃止することで最大2.5兆円の税収減が想定されており、政策の矛盾が露呈している。しかも、環境税の導入に積極的な筈の民主党政権下で暫定税率の廃止から一定期間を置いて環境税を導入する案が浮上し、2010年4月以降、暫定税率の廃止でガソリン価格の値下げ効果(減税)を国民にアピールして同年7月の第22回参議院議員通常選挙に臨み、その後で環境税の導入(増税)に踏み切ろうとする悠長な発想と先送りの姿勢が窺える愚策ではなかろうか。そして何よりも暫定税率の廃止でガソリンの消費が刺激され、代替策である環境税も同時に導入されない訳であるから二酸化炭素排出量の増加が懸念される。
<出所>地球温暖化対策税(環境省案)資料に基づき筆者作成
暫定税率の廃止に伴う地方財源の減収分(約8千億円)の穴埋め策を巡っては、税収の落ち込みにより国税を確保したい財務省と、地方税を確保したい総務省との間で軋轢が生じている。環境・経済産業両省の対立に加え、本来、政府税制調査会を調整する立場にある財務・総務両省の対立も激しくなって議論は混迷の度を深めている。
そこで、まず徹底的な歳出削減や税体系全体の方向性を明確にしたうえで、運輸部門の地球温暖化対策と地方税収確保の観点から暫定税率を廃止せずにピグー税という形で維持する、あるいは暫定税率の廃止と環境税の導入を峻別せずにパッケージ化し、暫定税率の廃止後に間髪入れず環境税を導入するほうが理に適っているように感じる。そもそも欧州諸国を中心に導入済みである環境税を日本が追随して導入するべきか否か(二重課税を回避する観点から石油石炭税や電源開発促進税など現行税制との整合性を検証)、導入するならば税収中立的な使途が相応しく(地球温暖化対策費のほか消費税率の引き上げ幅を圧縮、年金保険料を抑制、所得税・法人税を軽減等)、逆進性を如何に是正し(低所得者、寒冷地・僻地の居住者、輸出産業及び中小企業への減免措置等)、どれくらいの税率設定が妥当であるか(石炭>石油>天然ガスという燃焼時の炭素含有量に比例した課税等)、鉄鋼・非鉄金属・化学・セメントなどエネルギー多消費産業の生産拠点の海外移転に伴う炭素リーケージ(国内の温室効果ガス排出量が減っても、エネルギー効率の低い国外に流出するため地球全体としては減らず却って増えてしまう現象)及び国内製造工場閉鎖といった産業の空洞化をどのように防ぐか等、既存のエネルギー関連諸税のグリーン(環境配慮)化を鑑みて産官学や納税者を巻き込んだ多面的な議論を進め、幅広い合意形成に努めていくことが希求される。
<出所>環境省
1990年、世界で初めてフィンランドにおいて、いわゆる炭素税が導入され、その後、スウェーデン・ノルウェー・デンマークといった北欧諸国、オランダや英国、ドイツ、イタリア、フランス等でも導入されている。これら欧州諸国では、それぞれの実情に即した「二重の配当(環境税の税収に応じて他の税を軽減することで経済全体の効率を高めるシステム)」と呼ばれる様々な課税方式で環境税創設・改組に至っている。
【補足】石油石炭税は、経済産業省及び環境省の共管であり実質的に環境税化されている。また、電源開発促進税は、販売電力に課税されている。
















