『衆ノ雑感』山田衆三のブログ 地球環境時代における持続可能なエネルギー政策を考える

日本は資源小国であり、資源の大半を海外からの輸入に頼っています。日常生活にも大きく影響する原油価格の乱高下をはじめ、政情的に不安定な中東原油依存度の高止まりが続くなか、石油・天然ガス大国であるロシアが資源の国家管理を強化し、経済発展著しい中国やインドなど新興国がエネルギー消費の増大に伴い資源囲い込みに奔走する等、世界情勢を俯瞰的な視点で捉え、国際協調を基軸としつつ、国益に合致するエネルギー政策を考えることが非常に重要となっています。また、21世紀が地球環境時代と呼ばれるなかで、地球温暖化防止京都会議(COP3)の議長国を務め、京都議定書の批准国でもある日本は、率先して持続可能な社会を実現することが求められます。 私は、博学篤志(博く学び篤く志す)をモットーに本ブログ「衆ノ雑感」を通じて情報発信しながら、より多くの方々がエネルギー・環境問題について関心を持っていただければ幸いと感じています。そして、掛け替えのない地球と次世代を担う子どもたちに明るい未来を引き継ぎましょう!

再生可能エネルギー技術白書

 私が以前に勤務していた経済産業省所管の独立行政法人である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、風や太陽等の自然エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー技術に関する白書を初めて取り纏めました。

 

 白書は、風力や太陽光・熱、バイオマス(生物資源)、波力等の発電方式に関する技術的な課題や解決策など実現に向けたロードマップ(技術開発目標)を策定しています。特に陸上・洋上の双方がある風力発電の技術力を向上させ、全供給電力量に占める風力発電の比率を現在の0.5%から2030年に3.6%へと大幅な増加を目指しています。台風や地震、塩害など特殊な気象条件に耐え得る高性能な風車の設計、風車を静かに回す技術、風が弱くても発電できるシステム等を開発することを念頭に、発電コストを陸上で現在1kWh9~15円ですが、2030年には同5~8円、現在実績のない洋上で2030年に同8~11円に抑えて普及を狙います。

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<出所>NEDO
 

 波力発電では、本州中央部の沿岸で波力エネルギーの密度が高いこと等を提示し、2030年に発電コストを1kWh5~10円、表層水と深層水の温度差を利用して発電する海洋温度差発電でも同8~13円程度を目標としており、既述の洋上風力発電も含め海洋国家の特長を活かした発電技術の開発には、洋上への機材運搬やメンテナンスに掛かる費用を考慮しても再生可能エネルギーとして前途有望といえます。


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NEDO3
<出所>NEDO
 

 再生可能エネルギーに対する技術的な分析では、示唆に富んだ白書であるのの、四方海に囲まれた島国・日本特有の事情を鑑みれば、洋上に風車等を設置した場合に漁場の生態系を変える恐れがあるほか、漁船の航行にも支障を齎しかねないことから、漁業補償を中心に本格導入を見越したルールづくりや法制度の整備が国として求められるでしょう。

 

【以下URLもご参照ください!】

『衆ノ雑感』山田衆三のブログ

「浮体式洋上風力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51932310.html

「波力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510057.html

「洋上エクメーネ」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510051.html

「洋上風力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51509838.html

奈良市内でお勧めのランチ

 奈良市の奈良女子大学近くにあるレストラン「吉川亭」でランチをしました。今年、開店30周年を迎えられ、私が子どもの頃、亡き祖父に連れられて食事をしたことを思い出しました。

 

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 ライスorパン(おかわり自由)とサラダ付き平目・えびのムニエル1,400円、食後のコーヒー付きデザート三点盛り(チョコレートケーキ・桃のシャーベット・自家製プリン)400円をチョイスして注文しました。


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 平目・えびのムニエルは、添えられていた帆立の貝柱が特に美味しく、平目の身が柔らか、皮がパリパリとした絶妙の食感で、バルサミコ酢風のソースもあっさりして魚介類によくマッチしていました。

 

 チョコレートケーキは、チョコレートの味が濃厚で、洋酒がアクセントになっていました。桃のシャーベットは、桃の果汁を十分に活かし、自家製プリンもあっさりしてキャラメルソースによく絡んでいました。甘過ぎないデザートは食後にピッタリです。


 店内は落ち着いた隠れ家的な雰囲気で、ゆっくりとした時間が流れます。居心地も料理の味もボリュームも最高ですので、古都・奈良を訪れた際に是非ご堪能ください!

 

◆レストラン「吉川亭」

・住所:奈良市花芝町17 ふくむらビル1F

・アクセス:近鉄奈良駅より徒歩約5分

・電話:0742-23-7675

・定休日:月曜日、8月は夏季休暇(シェフが欧州で修業)の場合あり

・営業時間:AM11:30~PM2:00


水道管の耐震化

1923年に起こった関東大震災に因んで9月1日は「防災の日」です。ところで、全国の主要水道管(基幹管路)のうち、震度6強相当の揺れに耐えられる「耐震適合性」を持つのは、2008年度時点で僅か28.1%であったことが厚生労働省の初調査で分かりました。算出したのは、水道管自体の強度に加えて周囲の地盤状況も勘案した耐震化率で、全国の総延長約10万7千kmのうち、耐震適合性があるのは約3万kmに止まっています。

 

事業者別の集計では、愛知県刈谷市や新潟県長岡市など16事業者の100%から茨城県神栖市や埼玉県朝霞市など20事業者の0%まで大きな開きがあり、都道府県別で最も高かったのは、神奈川の61.5%で、愛知の56.6%、福島の46.5%が続きました。逆に低かったのは、山梨の4.5%、徳島の9.0%、岡山の12.6%であり、大規模災害時のライフライン(生命線)確保に向けた地域格差が浮き彫りとなりました。

 

耐震適合性のある水道管の割合

<ベスト5>

①神奈川県 61.5%

②愛知県 56.6%

③福島県 46.5%

④香川県 44.0%

⑤福井県 41.6%

<ワースト5>

①山梨県 4.5%

②徳島県 9.0%

③岡山県 12.6%

④三重県 13.6%

⑤鹿児島県 15.7%

 

 厚生労働省は2004年、水道事業が目指す将来像を纏めた「水道ビジョン」で全国の主要水道管を2013年度までに耐震化整備する目標設定しています。ところが、水道事業を担う地方財政は困窮しており、財政難で法定耐用年数の40年が過ぎても1970年代に集中整備された水道管を交換できないケースも目立つことから、更新期を迎える耐震性のない老朽管が急増するなかでダクタイル(球状黒鉛)鋳鉄管と呼ばれる耐震管への切り替えが遅々として進まず、目標達成は極めて厳しい状況となっています。

 

地震大国である日本において、私も惨状を目の当たりにした阪神・淡路大震災など過去の大地震を教訓に、今回の調査で地盤状況を加味したことは評価できます。しかしながら、水道管の耐震化で地域格差が生じたのは、公立小中学校施設(校舎や体育館等)の耐震化と同様、東海・東南海・南海地震など地震対策強化の指定地域か否かの違いも考えられますので、水道管の耐震化を進める際、優先順位を付けて行っていくべきです。まずは病院や避難所、次に高層のビルやマンション群、低層の住宅密集地など大勢の人が利用する施設での耐震化を充実させてから、可及的速やかに全域の普及について具体策を講じていくべきでしょう。

第22回参議院議員選挙・奈良選挙区

平素より『衆ノ雑感』山田衆三のブログをご高覧いただき御礼申し上げます。

 

この度の参議院議員選挙で奈良県の皆様から頂戴した25万5千票の重さ、

サラリーマンから一般公募で選ばれた不慣れな私を支えてくださった方々、

駅や街頭で私に手を振ってくださった方々、

落選した私に励ましの言葉をくださった方々への感謝の気持ち、

そして何よりも私が目指す政治信条をこれからも貫くべきか、

人生の岐路に立った自分自身と向き合った結果、

「捲土重来」できるその日まで・・・

一から出直すことと決断いたしました。

 

幕末の日本の如く混沌としている今こそ、
国の形と家族の絆を守り、

保守を標榜する責任ある野党として「自民党」が国民の信頼を取り戻し、

お金がなくても、世襲でなくても、

20代、30代の若い世代が強い意志と情熱を持ち、

人生を賭けて政治家として尽力できる道筋をつけること、

まさに私が「当選」することで体現したかったものの、

自らの力不足によって叶えることができませんでした。

 

この国に生まれてきて本当に良かったなあと全ての人たちが思えるまで、

愛する祖国・日本のため、大好きな郷土・奈良県のため、

戦中に亡くなられた方々や戦後の日本を努力して生き抜いた方々のため、

次世代を担う子どもたちや赤ちゃんのため、

「政治を変えていきたい」という気持ちだけで走り抜けた半年間、

辛いことや悲しいことより、楽しいことや嬉しいことばかりだった半年間、

人の温かさを肌で感じることが数え切れないくらいあった半年間、

今まで生きてきた34年間の中で最も「学び」が多かった半年間、

全てが私のこれからの人生に活かされるものと固く信じています。

 

本当に皆様、ありがとうございました。
これからも精いっぱい自分らしく頑張っていきます!

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ミドリムシ・テクノロジー

 単細胞生物のミドリムシ(学名:ユーグレナ)は、動物と植物の中間的性質を持ち、小中学校の理科で学習する代表的なプランクトンとして馴染み深い存在です。
 
 ミドリムシは、体長約0.1mm、池や湖沼など淡水に棲息して漂いながら鞭毛を震わせて泳ぎ、体を収縮させて動き回り、体内に葉緑体を有し、光合成を行って自らの栄養にすることができます。私も高校入試でミドリムシの鞭毛がどこに付いているか描く問題に答えた記憶があります。ところで最近、このミドリムシの需要が急拡大しています。


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 ミドリムシは、培養過程で大量の二酸化炭素を取り込むため、石炭・石油など化石燃料由来の火力発電所から排出された高濃度の二酸化炭素をミドリムシがいる巨大水槽に送って培養すれば有効な二酸化炭素の固定化手段となり、ミドリムシから抽出した油脂分を利用して航空機を飛ばすバイオジェット燃料も有望視されています。そこで、東京大学発のベンチャー企業「ユーグレナ」が2005年にミドリムシの大量培養技術を確立しました。

 

 ミドリムシに含まれているビタミン・ミネラル・アミノ酸など豊富な栄養素も注目されており、機能性食品や化粧品原料に使われ始めています。また、2009年11月から東京都江東区の日本科学未来館で売り出した「ミドリムシクッキー」は、1箱5枚入り450円の値段(普通のお菓子より少し高め)で、クッキー1枚に2億匹以上のミドリムシを練り込み、同館を見学して理科に興味を持った子ども等がお土産に買い求めるといいます。

 

 2010年のミドリムシ関連商品の国内市場がミドリムシ1京(1兆の1万倍)匹に相当する50億円となる見通しで、地球温暖化と食糧危機の両問題解決に寄与し、小中学生の理科離れを救う“ミドリムシ・テクノロジー”の活躍に期待したいと思います。

 

【追伸】終盤となった夏休みに「自由研究」が済んでいない子どもたちは、ミドリムシを題材に詳しく調べてみてはどうでしょうか。

ブックスタート

 地方自治体が地域の赤ちゃんと保護者に絵本をプレゼント(無料で配布)し、絵本をきっかけに親子の絆を深め情愛を促す「ブックスタート」と呼ばれる制度が注目されています。

 

 ブックスタートは1992年、“Share books with your baby(赤ちゃんと絵本を介して楽しい時間を分かち合うこと)”を応援する運動として英国の基金団体ブックトラストが中心となりバーミンガムで発祥し、日本でも2001年のブックスタート開始から10年間で全国の地方自治体の約4割に相当する734市区町村(2010年6月末現在)が採用しており、地方自治体の負担額は、赤ちゃん一人当たり1千円前後となっています。

 

 ブックスタートによる読み聞かせ時間は10分程度と短めですが、赤ちゃんの成長に合わせて継続的に絵本と出会えるよう、乳児健康診査時に絵本のリストを提供し、少しずつ長い絵本に変えるなど工夫が凝らされています。生後4~6ヶ月頃から会話のできない赤ちゃんが食い入るように絵本を見つめたり、語りかける口元に目をやったり、文字や言葉の意味が分からなくても声のリズム等に反応を示します。

 

 読み聞かせを通じて親が赤ちゃんの内面の魅力に気付くこともあり、核家族化に伴い子育てが孤立し、伝統的なあやし言葉・遊び歌が失われていくなか、親による児童虐待・子殺しを防ぐためにもブックスタートが果たす役割は非常に大きいと期待されています。また、“絵本デビュー”した赤ちゃんと触れ合う機会を広げるため、中学生等が夏休みにボランティアとしてブックスタートの啓発活動に参加し、赤ちゃんを抱っこして読み聞かせることにより命の大切さを学ぶ情操教育にもなっています。

 

 少子化社会へと向かう日本にとって、次世代を担う赤ちゃんは国家の至宝であり、昔から「三つ子の魂百まで」と言われるとおり、現金給付の子ども手当に代わる子育て支援として、現物給付であるブックスタートを本格導入するべきであると考えます。

インフラ輸出

 将来も日本が経済成長を続けるため、少子化の煽りを受ける内需拡大路線では限界があります。そこで、日本企業の技術力を最大限に活かし、海外の発電所や鉄道など大規模なインフラ(社会基盤)整備を受注し、運営管理手法も合わせて一体的に提供する「インフラ輸出」が日本経済再生への処方箋として注目されています。

 

 中国やベトナムなどアジアを中心に新興国は、経済発展を遂げる過程で様々なインフラ整備が予想され、アジア開発銀行(ADB)によれば、2030年までにアジアで最大8.3兆ドル(721兆円)のインフラ投資を見込んでいます。アジア市場は、パイが大きいだけに欧米諸国のほか韓国等も日本の競争相手となっており、アジアを舞台に熾烈な陣取り合戦の様相を呈しています。

 

 経済産業省は、インフラ輸出を推進するため、日本の得意分野である石炭火力発電や原子力発電、送配電などエネルギー関連設備、新幹線など高速鉄道、上下水道・海水淡水化など水ビジネス、人工衛星など宇宙産業等、11の重点分野を具体的に選定しています。

 

経済産業省が選定したインフラ輸出の重点11分野

石炭火力発電・石炭ガス化プラント、原子力発電、送配電、鉄道、水、リサイクル、宇宙産業、スマートグリッド・スマートコミュニティ、再生可能エネルギー、情報通信、都市開発・工業団地

 

 インフラ輸出は、国益のみでなく相手国の利益にもなります。それ故に、日本が持つ手立てを全て投入して商機を掴むため、相手国が何を求めているかのニーズを精緻に把握したうえ、受注獲得競争に「オールジャパン」で取り組み、官民一体となった売り込み攻勢と共に民間企業同士の「民民連携」強化も欠かせません。

 

 インフラ輸出には、関与する政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)、独立行政法人の国際協力機構(JICA)及び日本貿易保険(NEXI)の肥大化など官の膨張を抑止しながら、有償資金協力である円借款や無償資金協力である政府開発援助(ODA)など公的金融の活用も含めた総合的なバーゲニングパワー(交渉力)が求められます。

法人税パラドックス

日本の法人実効税率は約41%で、主要先進国の中で最も高くなっています。日本は、1990年代後半の税制改革で法人実効税率を引き下げていますが、ドイツや英国など欧州連合(EU)諸国が引き下げで先行しており、相対的に高い水準に止まっています。また、シンガポールなどアジア諸国でも企業誘致や経済活性化を目指し、法人実効税率を引き下げています。

 

 内閣府が編纂した2010年度の経済財政白書によれば、法人実効税率と法人税収の国内総生産(GDP)比率の関係を見ると、税率引き下げが必ずしも税収減に繋がらない「法人税パラドックス」と呼ばれる現象があります。税率が20%未満ですと税収のGDP比率が最も小さくなりますが、20%以上30%未満では最も比率が大きくなります。30%を超えると比率が低下し、40%以上ですと20%未満の税率と変わりません。

 法人税パラドックスは、法人実効税率を現行(約41%)から20%以上30%未満に引き下げれば反対に法人税収が高まるという逆説であり、抜本的な税制改革において法人実効税率20%台が他国より高めの税率を是正し、日本企業の国際競争力向上に寄与するものと考えられます。

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ポートオーソリティー

 近畿2府4県の総合経済団体である関西経済連合会(関経連)は、域内にある空港や港湾、有料道路、トラック・バスターミナルなど交通・物流網を一体的に運営管理する機関「ポートオーソリティー」の設立に向けて動き出しました。

 

 ポートオーソリティーでは、所管官庁等が縦割りで交通・物流網を個別に運営管理するのではなく、地域全体で最適な配分を考えながら投資でき、規模の経済を活かした管理部門の合理化で運営コストを引き下げ可能なほか、債券発行など資金調達の手段も増えます。米国のニューヨーク&ニュージャージー・ポートオーソリティーが有名で、英仏でも公社による先行事例があり、関経連案でも半官半民の公共企業体が軸になります。そこで、空港や港湾、有料道路は、所管官庁や組織形態が異なることから、経営統合に向けた株式会社化、そして合併等の手続きを踏む必要があります。

 

 関経連では今後、広域行政組織「関西広域連合」の始動も見据えてポートオーソリティー実現に向けた準備を急ぐ意向ですが、空港の場合、関西一円に3空港が併存しており、関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港の一体運用の方針が固まっているものの神戸空港を合流させる見通しは立っていません。また、港湾の場合、京浜港(東京港・川崎港・横浜港)と並びアジアのハブ(拠点)港として有望視され、国土交通省から「国際コンテナ戦略港湾」に指定された太平洋側にある阪神港(大阪港・神戸港)の一元化が関経連案となっていますが、既に同省から「重点港湾」に指定された日本海側にある京都舞鶴港の位置づけをどうするかなど考え直さなければなりません。

 地方主権による道州制「関西州」のプロトタイプ(試作版)といえる関西広域連合と連動しているポートオーソリティーでは、主要な空港や港湾を有する大阪府や兵庫県が主導権を握り、他府県は追従、そして埋没してしまう恐れがあります。特に奈良県は、空港も港湾も有しないことからポートオーソリティーに出資するメリットが全くなく、まず地域の事情に即した利害調整が先決であるように感じます。

科学技術と30年後の社会

 65年目の終戦記念日を明日に控え、科学技術の発展によって30年後の社会はどうなっているのか---文部科学省所管の研究機関である科学技術政策研究所が3千名を超える各分野の専門家に複数回アンケートを送付して取り纏めた「将来社会を支える科学技術の予測調査」報告書を公表しました。本報告書を元に30年後の社会を一部ご紹介します。

 

 有人ロケット技術が大幅に進歩し、現在の飛行機のように気楽に宇宙旅行を楽しめます。乗客を見分ける個人認証技術も進歩、パスポートがなくても眼の光彩等の生体情報から正確に本人かどうか判断できます。出入国手続きもカメラの目の前に立つだけで済み、時間を費やさず長蛇の列にもなりません。

 

 交通手段も格段に発達します。地球環境に優しいエコカーである電気自動車(EV)が大衆車となり、カーナビゲーションシステムの地図画面で目的地を選択すると、全地球測位システム(GPS)でEVが自らの位置を正確に把握して目的地に案内してくれるため、究極の“自動”車となります。発車後、ハンドルを握ることなくEVの判断で道路を進み、交差点も勝手に左折と右折して道程を変えます。ハンドルを握るのは、自宅の車庫にEVを出し入れする時ぐらいになります。また、車-車間通信でEVが前後の車等との距離を測り一定間隔を保ちながら同じ速度で移動するため、渋滞や事故の心配もありません。さらに、EVの燃料となる電気も道路から電磁波で送られるため、EVを停車してエコスタンド等で燃料を補給する手間も掛からず走行しながら充電でき、運転の効率化が図れます。

 

 自宅では、頭脳が人間とほぼ同じレベルの人工知能を持つロボットが活躍します。出生率は、今後も低いままで一人っ子の家庭が増えるなら、子どもの話し相手となるロボットの人気が高まります。また、世界各国のテレビ番組を自動翻訳システムによって日本語で楽しむことができます。さらに、テレビでショッピングや観光を楽しむことが主流となります。立体ディスプレイに商品が映し出され、聴覚や視覚、味覚、嗅覚、触覚をインターネットで伝える五感通信で確認できます。観光地である奈良公園にいるロボットを自宅から遠隔操作します。ロボットにはカメラのほか、匂いや音を感じるセンサーが搭載されており、恰も奈良公園にいるかのような臨場感溢れる気分を味わうことができます。

 

 これら30年後の社会で実用化される科学技術には、実現性が高いものもあれば、コストや安全性、奇抜さが理由で社会に浸透していないものもあるでしょう。今後、科学技術の発展に社会がついて行けるか、社会の情勢に科学技術がついて行けるか、夢や希望を持って人類の英知を結集し、鳥瞰的に未来を予測しながら「鶏と卵」の問題を考えることが大切です。

 

30年後の社会で実用化される科学技術の主要事例

<グリーン・イノベーション(環境革新)関連>

エネルギー変換効率60%以上の太陽電池

風・波・潮流など海洋エネルギーの商業ベース利用

メタンハイドレートや熱水鉱床など海底資源の商業ベース採掘・回収

高速増殖炉による核燃料サイクル

高レベル放射性廃棄物の地層処分

<ライフ・イノベーション(生命革新)関連>

どんな細胞にも成長するiPS細胞を利用した再生医療

アルツハイマー病の進行阻止

アトピー性皮膚炎などアレルギーの根治

HIV感染症の根治

癌の発症・転移を効果的に予防する薬

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