私が以前に勤務していた経済産業省所管の独立行政法人である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、風や太陽等の自然エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー技術に関する白書を初めて取り纏めました。
白書は、風力や太陽光・熱、バイオマス(生物資源)、波力等の発電方式に関する技術的な課題や解決策など実現に向けたロードマップ(技術開発目標)を策定しています。特に陸上・洋上の双方がある風力発電の技術力を向上させ、全供給電力量に占める風力発電の比率を現在の0.5%から2030年に3.6%へと大幅な増加を目指しています。台風や地震、塩害など特殊な気象条件に耐え得る高性能な風車の設計、風車を静かに回す技術、風が弱くても発電できるシステム等を開発することを念頭に、発電コストを陸上で現在1kWh9~15円ですが、2030年には同5~8円、現在実績のない洋上で2030年に同8~11円に抑えて普及を狙います。
波力発電では、本州中央部の沿岸で波力エネルギーの密度が高いこと等を提示し、2030年に発電コストを1kWh5~10円、表層水と深層水の温度差を利用して発電する海洋温度差発電でも同8~13円程度を目標としており、既述の洋上風力発電も含め海洋国家の特長を活かした発電技術の開発には、洋上への機材運搬やメンテナンスに掛かる費用を考慮しても再生可能エネルギーとして前途有望といえます。
再生可能エネルギーに対する技術的な分析では、示唆に富んだ白書であるのの、四方海に囲まれた島国・日本特有の事情を鑑みれば、洋上に風車等を設置した場合に漁場の生態系を変える恐れがあるほか、漁船の航行にも支障を齎しかねないことから、漁業補償を中心に本格導入を見越したルールづくりや法制度の整備が国として求められるでしょう。
【以下URLもご参照ください!】
『衆ノ雑感』山田衆三のブログ
「浮体式洋上風力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51932310.html
「波力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510057.html
「洋上エクメーネ」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510051.html
「洋上風力発電」http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51509838.html







