阪急阪神ホールディングス(株)傘下の阪急電鉄(株)は2009年12月9日、大阪府摂津市役所と共同で2007年から進めている地球温暖化対策モデル地区「南千里丘まちづくり」のまちびらきと同時に、まちの玄関口として阪急京都線・正雀駅~南茨木駅の間に新設される摂津市駅の開業日を2010年3月14日にすると発表した。摂津市駅では、駅に起因する二酸化炭素の実質排出量をゼロにする「カーボン・ニュートラル・ステーション(炭素中立駅)」を計画している。摂津市駅での停車は、普通列車のみであるが、主要駅となる大阪府の梅田駅まで大人220円、京都府の河原町駅まで大人360円と手頃な運賃で、所要時間もそれぞれ21分、35分と便利であり、1日当たり約1万2千人の利用者を見込んでいる。
<出所>阪急電鉄(株)
阪急電鉄(株)によると、摂津市駅の電力や水道使用による二酸化炭素排出量を約70t/年と想定し、このうち約36t/年は、駅舎の屋根に設置する太陽光発電や消費電力が少ないLED(発光ダイオード)照明、壁面緑化、雨水利用のほか、男性トイレに洗浄時に水を使用しない「無水式小便器」の導入、エレベーターのブレーキ時に発生する回生エネルギーを蓄電して力行時に使用するシステム「エレベーター回生電力利用」装置、空気の熱を利用したヒートポンプ式電気給湯器の採用による各種省エネルギー施設整備など駅で取り組む環境配慮施策で約51%削減し、残りの約34t/年は、排出枠やグリーン電力証書を購入することによってオフセット(相殺)することで約49%削減するという。


<出所>阪急電鉄(株)
阪急電鉄(株)では、摂津市駅の開業を記念して環境をテーマにしたメッセージ列車「摂津市駅号」を運行させ、車両外観に摂津市駅のキャッチフレーズである“エコで始まる新しい駅”をモチーフとしたラッピングデザインを施した(下図)うえ、車内のポスター掲出枠も全て同様のデザインに統一する。また、NPO法人(特定非営利活動法人)環境市民の企画監修のもと、沿線の地方自治体等とも連携しながら、環境啓発情報や様々な主体による環境への取り組みなど環境をテーマにしたポスターを車内の全ての掲出枠を使って展開し、併せて摂津市駅で取り組む環境配慮施策も開業告知ポスターで紹介する。摂津市駅号の運行期間中(2010年3月14日~7月31日)は、この列車が使用する電力を発電する際に生じる二酸化炭素について、排出枠購入によりオフセットすることで二酸化炭素の実質排出量をゼロとする「カーボン・ニュートラル・トレイン(炭素中立列車)」として運行する。
<出所>阪急電鉄(株)
摂津市駅のカーボン・ニュートラル・ステーション計画について、環境省が「駅で同様の取り組みは聞いたことがない」とコメントしており、よりクリーンで環境に優しい鉄道会社を目指す阪急電鉄(株)の斬新かつユニークな日本初となる試みに期待したい。
【参考】「衆ノ雑感」で取り上げた過去の関連記事
・燃料電池鉄道 http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510064.html
・阪神甲子園球場に太陽光発電 http://yamada-shuzo.dreamlog.jp/archives/51510061.html
